#病んでいる現代
+世の中にあまりにもカネとモノがあふれ、
底知れない飽食の渦に巻き込まれているからだろうか。
あるいはあまりにもすきのない効率社会に
なり過ぎたためだろうか。
それとも人のぬくもりや情緒の稀薄な愛の酸欠状態が
広がっているためなのだろうか。
自分は何をしてどう生きたらよいのかと道に迷い、
生きることの不安から逃れようとする
救命信号と受け取れるさまざまな挫折現象が、
近ごろ次第にその影を大きくしはじめているかに見える。
それは“いったい人間はどこへ行こうとしているのか”という
終末の予兆のような、不気味さを感じさせさえする
“病んでいる現代”の姿ではないか。
斎藤茂男 『飽食窮民』