#二つの人間の種族
+それは収容所の看視兵の心理である。血も肉もある人間が他の
人間に、多数の報告の示す如き残酷なことをするのがどうして
可能であろうか?
+われわれはただ次のことを指摘しなければならない。第一に…
看視兵の中には厳密な臨床的な意味での強度のサディストがい
た…、第二に…看視隊を編成する…サディストが求められたと
いうことである。…第三に…サディスト的なあらゆる行為を次
次とみてきたので、すっかり無感覚になってしまっていたとい
うことである。
+第四に…収容所の当局者の中には…サボタージュをする者(ナ
チスに対して)もいないわけではなかったということである。
…町の薬屋から囚人のための薬を買入れさせていたのであっ
た。一方、この収容所の囚人代表は(従って彼自身囚人である
が)収容所の親衛隊員を全部合わせたよりももっと厳しかっ
た。
+これらすべてのことから、われわれはこの地上には二つの人間
の種族だけが存するのを学ぶのである。すなわち品位ある善意
の人間とそうでない人間との「種族」である。そして二つの
「種族」は一般的に拡がって、あらゆるグループの中に入り混
んでいるのである。…この意味で如何なるグループも「純血」
ではない。
(フランクル『夜と霧』「深き淵より」)
+キリストの教会もまた「純血」ではない。カイン(創世記4章)
のような、ペニナ(サムエル上1章)のような、アナニア・サ
フィラ夫妻(使徒言行録5章)のような信者がいる。
+わたしは違う、と言い切れない弱さがわたしにはある。
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