#新しい歴史の足音
+日本は戦後二度の荒廃を経験した。敗戦によって奪われたのは
〈権威〉であった。それは〈父なき時代〉の開始を意味した。
五〇年代にはじまる経済成長によって奪われたものは母なるも
のとしての自然であり、ふるさとであり、文化であった。それ
は〈母なき時代〉への突入を意味していた。荒野なる日々を過
ごすのは老人と孤児には避けがたいところである。
敗戦が軍事力信仰をこわしたとすれば、学園紛争、公害、ドル
・ショックは経済成長信仰の仮面をはいだ。日本は今新しい歴
史の足音を聞く時がきている。それが第二イザヤ(40:1-8)が
聞き、福音書が聞いたもの(マルコ福音書 1:3その他)に基づ
くなら幸いである。
左近淑(『混沌への光』「荒野の福音」より)
+憲法改正のための国民投票案が可決された。「日本は今新しい
歴史の足音を聞く時がきている」。わたしたちの耳に今、はっ
きりと聞こえて来たこの国が刻み始めた新しい歴史の足音は、
左近のいう、「第二イザヤが聞き、福音書が聞いたもの」なの
か。もし違うなら、災いだ。
+大地に耳を押し当て、迫りくる足音の正体を見極めよう。そし
て、神に向かってこう叫ぼう!
「…いまこそ、その時なのだ。
今こそこの国が世界にとって、人間社会における正しく、高貴
なものの証人になりうる時なのだ。今こそ恐れではなく信念を
もって、変わらぬ確信をもって……生きるべき時である……」
(マクガバン大統領候補指名受諾演説)
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